「交流市民」に関わる政策のまえがき①
私は10年前から「交流市民」という言葉を使わせていただくようになりました。
当時の輪島はバブル経済崩壊後の余波が続き、観光をはじめ漆器などの商工業は低迷の一途をたどり、この状況を打破する望みのひとつとして、中心市街地の都市整備事業や商業活性化事業が進められていました。
また、交通インフラでは2001年に、のと鉄道の穴水輪島間が廃線となり、能登空港の開港が、2003年にひかえているという環境で、主に生活路線として利用される鉄道の維持が困難でありながら、観光やビジネスの需要を期待する空路の整備が行われ、人口減少による過疎地域に、交流人口の拡大を図り地域振興を図ろうとする動きが加速していました。
このような環境の中で、交通インフラや都市整備が進めば多くの人が訪れるかのような考えが蔓延しましたが、私は、街の景観が整うだけでは求心力を高めることは難しく、受け入れる側の姿勢や街並みを活かしたソフト事業などの展開による来訪者のフォローや新しいニーズの掘り起こしを行わなければならないと考えました。そうしなければ、これまでの大きな投資は市民の負担になって重くのしかかるのではないかとの危惧をしていました。
そのような考えのなか、私は「交流人口」という言葉に疑問を持つようになりました。いわゆる人口というのは数値であり住民(ひと)の総数です。市民が何人いるかカウントした結果でしかありません。市民一人ひとりに行政サービスを提供するときの対象は市民であり人口ではありません。つまり一人ひとりを対象にしていない文言が独り歩きし、その結果、一人ひとりの来訪者の満足度を高めることに目が届いていない、耳を傾けていないのではないかと思うようになったのです。
私たちがこの地域に多くの方々に訪れていただきたいと願うなら、どれだけのサービスと満足を提供できるかが最も重要な要素です。自然から街並みまで景観に配慮することから交通、宿泊、飲食、市民との触れ合いなど、来訪者の求めと期待に応えることが交流人口の拡大につながります。来訪者一人ひとりの評価が行動となって積み重なることにより、交流人口という数値ができあがり、通知簿となって帰ってくるのです。
そして、来訪者一人ひとりと向き合う姿勢やもてなしの環境づくりは、来訪者が私たちの生活を支えてくれる人であり大切な人であると考え、具体的な実行に移すことが重要なことです。大切な人だから精一杯のおもてなしをする、せのびは出来なくとも心のこもったサービスをすることが必要だと思うのです。
その対象である一人ひとりの来訪者が「交流市民」という概念でした。
その対象である一人ひとりの来訪者が「交流市民」という概念でした。
さらに、観光やビジネス、帰郷される方々など輪島にご縁があり、輪島を好きな方々が永年にわたり輪島に訪れていただける、離れていても輪島の力になっていただける方々にも輪島市民になっていただくことで、いっしょに夢と希望のあるまち・人が輝く輪島市をつくっていきたいと思うようになりました。
輪島に定住しなくとも交流する市民として多くの方々が輪島のファンとなっていただきたい。そして、観光やビジネス・帰郷に留まることなく、互いに情報交換・交流をさせていただきながら、この地域の将来を考えていただける方々を「交流市民」として登録させていただき、そのすそ野が、全国、全世界に限りなく広がっていくことを夢見ています。
人が人を大切にし、定住市民と交流市民が相互に不足するものを補いあえば、高齢化や過疎に見舞われ身動きが取れない地域の現状を打破できると考えています。私たちのふるさと輪島に誇りを持って後世に引き継ぎために、今よりも多くの方々が愛してくれる地域にするために「定住市民」の英知とともに「交流市民」の皆様の力が必要なのです。
受け入れる側の姿勢や街並みを活かしたソフト事業,の重要性とても共感します!
返信削除先月いってきました。勉強勉強(笑)
http://wajimania.blogspot.com/2011/10/1010.html
住民、市民を巻き込んだ おもてなし体制や
来る方々への「わがまち自慢」「誇れること」を実感しながら
の輪島人(笑)でありたいものです!いまは輪島市民ではないですが、輪島自慢しまくっております♪♪
わがまちへの愛着、感謝をしながら
これからも輪島ラブで私も日々かんばります!
いつもパワフルにありがとうございます♪
Wajimaniaさん、コメントありがとうございます。
返信削除また、輪島を発信しいただいている活動に心より感謝いたします。
少子高齢化が進む輪島市ですが、この魅力を活かせば、交流市民の拡大が期待されます。地道に積極的に真摯に輪島の姿を考え良い変化をもたらしたいと思います。
今後ともご意見、ご指導いただきますようお願いいたします。
次回輪島にお帰りの折には、ぜひ、お立ち寄りくださいませ。
ありがとうございました。